GAKURE × TPNCS
OLD DIVER’S WATCH STYLE
“NOT FOR DIVERS – 2nd”
習慣が無いせいか、つけ始めてもすぐに外しちゃったりそもそもつけ忘れたりでその存在自体にあまり興味がなかったんですよ、腕時計に対して。その反面、スマホで時間を確認する所作にはず〜っと違和感もございまして。
『ひょっとして今まで持っていた腕時計は、自分が欲しい・つけたいというものではなかったのでは?』なんて考えたりも。
バイクに乗る時はG-SHOCK。 中学生の時の同級生と交換した、もう30年以上使っている年季の入った一本で、LEDのバックライトじゃないので夜間は全然見えなくて不便でしたが、壊れないしコレで充分。残念ながら昨年の北海道一周で無くしましたけど…。そういやApple Watchやその他スマートウォッチも便利そうで興味あり。でもバイクに乗ってる時はチラッと見ておおよその時間が判断できるアナログがいいんだよな〜。で、よくわからないけど、オートマチックって気になるよね?更に言うと、(バネを巻くために)腕を振る動作も憧れちゃうし。ってな具合に、機械式時計にはかなりユル〜い入り方をしたタイプ。
そんな感じで、時計に興味を持ち出したのが5年ほど前。気になりだすと止まらない質なので、仕事が終わると真っ直ぐ家に帰り夜な夜な時計を物色。とりあえず王道・Rolexでも見てみましょうか…わかっていましたが種類いっぱいあってよくわかんない。それ以前に買えない!つーか買えても怖くて普段使いできない!とかぶつぶつ言いながら様々なメーカーやモデルを見ていくうちに、変わったケースの時計が目につくように。なんでリューズがこんな位置(4時方向)に?とか、そのリューズをカバーするための部分(リューズガード)って大袈裟じゃない?なんてじーっと見ていたら、その違和感があるバランスに魅力を感じるように。暗い海中でも見やすいようにできている大きなインデックス(文字盤のメモリや数字を表す点や線)も、チラッと見て時間を判断するのにピッタリ。まさにデザイン・機能性ともに自分の理想とマッチしたものがダイバーズウォッチでした。
ヴィンテージも気になりはじめ、メーカーからの復刻モデルにも興味が湧きますが、な〜んか違うしどうしたものか…。
そんな時、6〜7年前からお客様として知り合ったGAKUREのオカノくんが時計屋さんだったことを思い出し、色々聞いてみることに。当時、彼は会うたびに違う時計をつけているイメージで、ツナ缶(わからない方は”ダイバーズ ツナ缶”で調べてみてください)を着けているのも確認していたため、間違いなくダイバーズについても詳しいだろうと思ったら、案の定どころか想像以上にダイバーズ好きで、色々ご教授いただく…では済まされず、まんまと沼に引きづり込まれる結果に。
そんな我がダイバーズ師匠・GAKUREさんのお力をお借りして、今回はオリジナルウォッチを製作。
ベースになったモデルはSEIKOのセカンドダイバー。セカンドダイバーといえば冒険家の植村直己氏が使用していたことでも有名ですが、それは特徴的な形状のリューズガードを持つ中・後期モデルで、今回ベースにしたのは前期モデル。中・後期型と異なり、リューズガードがなく、比較的スマートなケース形状。しかし目をひくケースのエッジが印象的で、クラシックなのにモダン、カジュアルなのに緊張感を纏った雰囲気。僕が欲しいのはまさにコレ。
もちろん、”ヴィンテージを”という選択肢もあるでしょう。ただ、約50年前の時計ということもあり、防水機能は元より、普段使いにも気を使う必要がございます。探せば販売されているものも見つけられますが、文字盤や針が腐食していたり、ダイバーズウォッチというジャンルからか、フルオリジナルで残っている個体は限られます。セカンド中・後期の復刻は現在でも販売されていますがなかなかのプライス。そして前期のリデザイン版はな〜んか違う(好みじゃない)。そもそも(セカンド)前期自体の生産数の少なさ故の知名度の低さからこのような状況になっていると考えられますが、ヴィンテージにも復刻にも残念ながら僕は触手が伸びませんでした。
今回の製作にあたっては、当時のまんまで復刻するのは面白くないので、”日常使いできる”かつ”可能な限り当時の雰囲気を大切にする”という点を念頭にお願いしました。ヴィンテージとの違いは以下の5点。
・サファイアガラス
・逆回転防止ベゼル
・ハック機能ありのムーブメント
・ダークグレー文字盤(艶あり)
・日常生活防水
生活防水には対応していますので日常生活には支障はきたしませんが、本格的なダイバーズウォッチのような防水機能はございません。そのため防水表示の数値は空欄にしてあるのは僕なりの誠意というかおふざけというか…。もちろん、要・不要に関わらず、機能性に対してのロマンも理解しているつもりですが、あくまでも日常使用を前提ということでこのような仕様となりました。ご覧の通りスタイルも選ばず、使い易いのに所有者が時間を見るためだけでなく、時計そのものを見た時に少しアガる”クセ”もある時計となりました。多くの方にご興味を持っていただけましたら幸いです。